こんにちは!ラディッシュ企画編集室のオハラです。暖かな風が吹き、春を告げる“梅”の便りがあちこちで聞こえてくる季節になって来ました。
実は、神戸の生田神社は “歴史に名を残す梅” が観られる、観梅の隠れスポットなんですよ!
前回に引き続き、生田さんについてご紹介しようと思います。(前回の記事はコチラ)
目次
- 箙(えびら)の梅
- どこまで香る?八丁梅
- まとめ
箙(えびら)の梅
箙(えびら)の梅は、紅梅、白梅共にあり、社務所の前に咲いています。早い年は1月下旬から咲き始める年もあるようです。
その昔、生田神社がある生田の森は源平合戦の舞台でもありました。激しい合戦が続いていたある日、源氏方にいた梶原源太景季(かじはらげんたかげすえ)という若武者が、咲き誇る梅に心を留めます。
殺伐とした戦場に漂う風雅な梅の香り。彼は笠印の代わりにと、その一枝を手折って背中の箙(えびら=弓矢を入れる筒)に入れて奮戦し、目覚ましい手柄を立てました。
敵味方関係なく、誰もがこの景季(かげすえ)のことを『勇気だけでなく、物の風情を理解する立派な侍』と、賞賛したという話が残っています。
青葉の笛で広く知られる平敦盛しかり、源平の時代は、“武”だけでなく“雅”な心を持つ人が称えられたんですね。
戦いに明け暮れる中でそんな心を持てる若者は、きっと美しい目をしていたに違いありません。戦で命を落とすなんて悲しすぎますよね。
この逸話は、謡曲として読まれ能や歌舞伎にもなっています。
今日まで脈々と語り継がれている箙(えびら)の梅。ゆっくりと眺めながら800年ほど昔の源平時代に思いを馳せてみて下さい!
…咲いている場所が駐車場の一角で、車が停まっていたら近づけなくて残念なことがありますが…(>_<)
梶原の井
近くには、景季(かげすえ)が、武運を祈るため生田の神様に捧げる水を汲んだと言われている “梶原の井” もあります。
どこまで香る?八丁梅
本殿西側に咲いている紅梅。去年は3月中旬に満開を迎えていたようです。
江戸末期に、信州飯田の城主である堀親義 (ほり ちかのり) が自分の領地に咲く梅を生田社頭に寄進したとされています。八丁先にまでいい香りが漂うので、この名がついたそう。色も鮮やかで可愛いフォルム。長野のお殿様が、きっとご自慢の梅を神戸に運んで来てくれたのでしょうね。
咲くと本当にいい香りが漂います。八丁は今で言うと約900mですって!
まとめ
~梅一輪 一輪ほどのあたたかさ~
神戸の極寒の地に住んでいる私にとっては、春の兆しを感じられることが何より嬉しいです。
みなさんもぜひ、生田神社で梅の甘い香りを嗅ぎながら、悠久の時の流れに思いを馳せてみてくださいね。
もう少し暖かくなると、花桃や、桜も咲いて境内が艶やかになりますよ!はーるよ来い!
写真は生田神社HP、壺斎閑話HP、Bogey-Don HPより引用させていただきました
小原 由美
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