絵本が大好きで、休みの日には古本屋さん巡りを楽しむラディッシュ企画編集室のオハラです。古本屋さんって、店主さんの個性が本棚に現れるのが魅力なんですよね。私はいつも「今日はどんな出会いがあるだろう」ってワクワクしながら出掛けます。今日は私のお気に入り、絵本が少し多めの古本屋『蚊帳(かや)文庫』さんをご紹介します。
神戸の台所、湊川市場から歩いて5分ほどの所にある蚊帳文庫。レトロな佇まいは昔からある古本屋さんって感じですが、オープンしたのは2015年だそう。絵本や児童書をメインに、一般書やサブカルなどの書籍が並びます。店主の能堀知尚さんは「日々の生活に疲れた時、絵本の優しさに触れて助けられたという経験から絵本を集めるようになった」と、神戸魅力人(ラジオ関西)のインタビューでお話されています。
来店者は私のような絵本好きの女性や子連れの方はもちろん、サラリーマン風の方や年配の男性の姿も見かけます。私はいつも絵本を探しに行くのですが、店内に入ると昭和の少女マンガや映画関連の本が目に入るので、ついあちこち見てしまって。懐かしい本を見つけては胸キュンしています。
能堀さんは店の奥の小さなスペースに座りいつも黙々と何かの作業をしておられます。値付けとか、本のシミや書き込みを消すクリーニングをしているのかな?蚊帳文庫さんに並ぶ本は状態の良い物が多く、愛情を持って手入れされているのが伝わって来ます。“蚊帳文庫”というユニークな名前のいわれを尋ねてみました。「子どもの頃、夏の夜はいつも部屋いっぱいに蚊帳が張られていました。中に入ると外が霞んで見えてどこか違う世界に入り込んだようなワクワク感があったんです。お客様にも、本に囲まれたこの空間でそんな気分に浸っていただけたらいいなと思って」。
私は以前ここで、表紙の絵柄がホログラムになっている絵本 “おやゆびトム” を見つけました。目にした途端、ピューンと半世紀以上前にタイムスリップ!3D映像など目にすることがなかった時代、子ども達にとってホログラムはその絵の世界に入っていける入口のようでした。幼い自分が飽きもせず、“おやゆびトム”の表紙をずっと眺めていたことを思い出したんです。
自分の記憶には全く無い本だったのに、一瞬で当時のことが頭に蘇り立ちくらみしそうになったほど。覚えていたのは脳だったのか心だったのか・・とにかく不思議な体験でした。もちろん即、購入!私がのめり込むように古本屋さん巡りをするようになったのは、この経験があったからかも。
物静かな店主さんはいつも、“好きなだけいてくださっていいですよ~”という雰囲気を醸し出してくれているので、ついつい時間を忘れて過ごしてしまいます。私にとって蚊帳文庫さんは、蚊帳の中にいるみたいに安心して本の世界に浸れる、と~っても居心地のいい場所なのです。本好きな方、ぜひ訪れてみて下さいね!
▼蚊帳文庫
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神戸市兵庫区荒田町3-5-22 マンションカワサキ103
開店時間:13時半〜19時(概ね)定休日:月曜
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~絵本・雑貨・アート展示~小さな古書店 風文庫 芦屋市

小原 由美

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