【防災マニュアルから生まれた言葉】子どもの心に寄り添う10の方法 ~子どもの話を聴く時は~

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石川県能登沖を襲った大地震から早くもひと月が経とうとしています。まわりにいる子どもさん達の様子はいかがですか?被災地から遠く離れた場所に住んでいても、テレビのニュースなどで繰り返し流される映像によって大きな不安を抱えてしまう子どもさんも多いと聞きます。
今回は、そんな子どもの心にそっと寄り添うコツが綴られた『子どもの話を聴くときは』という詩をご紹介します。

子どもの話を聴くときは (兵庫県教育委員会防災マニュアルに基づいて)

子どもの声を聴くときは、教えてもらう気持ちでね
一生懸命、耳傾けて、教えてもらおう、子どもの世界
子どもの世界の扉はね、内側からしか開かないの
信じるおとなに向かってね

子どもの話を聴くときは、じっくり、ゆっくり、ゆったりね
言おうと思うと時間切れ、中途半端は苦しいよ
子どものつらさと言葉はね、外に出るまで時間がいるの
待ってる時間も、聴いてる時間

子どもの話を聴くときは、「聴いてるサイン」を伝えてね
あいづちうって、うなづいて、子どもの言葉を繰り返し
不安な気持ちの子どもはね、小さな合図で安心するの
「ぼくを分かってくれてるな」って子どもの話を聴くときは、途中で止めたりしないでね
批判をしたりまとめたり、言い聞かせないでただ聴いて
おとなが口を開くとね、子どもの口が閉じてくよ
知りたいのなら、耳、開こう

子どもの話を聴くときは、瞳のサインをみていてね
子どもはたいていおとなのね、目なんか見ては話せない
それでも分かってほしいとき、瞳で合図を送ってる
見逃さないで、みていてね

子どもの話を聴くときは、顔の高さを合わせてね
上から見下ろされるとね、だれでもちょっと堅くなる
視線の低い子どもにね、しゃがんで視点を合わせてね
子どもが話しやすいから子どもの話に答えるときは、声の調子を同じにね
大きな声や高い声、おとなのいらいら伝わるよ
子どもは意味を知らなくてもね、声で気持ちが分かるんだ
言葉が出にくくなっちゃうよ

子どもの不安を聴くときは、子どもの気持ちを感じてね
「なぜ?」「どうして?」が、問いつめに感じてしまうとき、あるの
子どもの心配、不安はね、「不安なの?」って繰り返してね
答えは、一緒に考えて

子どもの不安を聴くときは、すぐに原因、決めないで
「地震のせいだ」「性格だ」、決めてもそれは答えじゃないの
子どもを取り巻く世界もね、子どもの心も単純じゃない
広く大きな視野で見て

子どもの悩みを聴くときは、子どもの力を信じてね
しっかり聴いて、じっくり支え、色んな見かたのアドバイス
だけど最後は子どもがね、子ども自身で解決するの
おとなが信じた子どもはね、乗り越えられるよ、大丈夫

この詩が生まれた背景

この詩は、阪神淡路大震災の後、子ども達の心をケアする為に作られた兵庫県教育委員会の防災マニュアルに掲載されていた10項目の提言を元に作られました子どもの気持ちに寄り添うコツがいっぱい詰まった内容でしたが少し難しい文章だったので、より人々の心に届くようにと劇作家の篠原久美子さんが優しく語りかけるような言葉に書き換えこの詩が生まれました。

TEAM 子どもの話を聴くときは

『TEAM 子どもの話を聴く時は』というボランティアチームが、この詩を広めるワークショップ等の活動を行っています。こちらのホームページからは、『TEAM 子どもの話を聴く時は』のメンバーである女優の根岸季衣さんが包み込むような声でこの詩を読むのを聞くことができますよ。(HPはコチラ)

まとめ

避難所でラジオ体操を率先して行ない、まわりの大人たちに元気を振りまいている子ども達の姿がニュースで流れていました。先行きの見えない不安が募る日々の中で、子ども達の笑顔はまわりの方々への大きな支えとなることでしょう。子ども達の笑顔を守るためにも、パパママを始め多くの大人にこの詩を知ってもらいたいと思います。
最後になりますが、この度の地震で亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興と皆様のご健康をお祈りいたします。

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小原 由美

ラディッシュ企画編集室で主に、リフォーム記事、イラスト、筆ロゴを担当しています。 趣味は朗読・絵本・芝居観賞。『朗読シアターKOBE』に所属し子どもから大人の方達の元へおはなしの楽しい世界をお届けしています! 福祉住環境コーディネーター2級、カラーセラピスト、FM千里カタリスト。
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