「日本の伝統文化を伝える着物や帯にもう一度光を当てたい」と、新たな使い道を探り続けている香賀登 由子(かがとよしこ)さん。工房“神戸きものリメイク”の代表を務める彼女が今、新しい商品を次々と開発されているのでご紹介します。
※香賀登さんについて詳しい記事はコチラ
日傘キット
着物リメイクの教室を7ヶ所で開いていた香賀登さん。そこで大人気だったのが、“浴衣で作る日傘”でした。しかし新型コロナの影響で、講師活動が縮小。そこで彼女が取り組んだのが、自宅で簡単に作れる“日傘キット”の開発。「布地の縫製など、扱いの難しい所を私達プロに任せてもらったら誰でも作れるんじゃないかと思いつきました」
お裁縫が苦手な人でも、ボタン付けができればOK!
“神戸きものリメイク”にキットを申し込み、日傘にしたい着物を送付すると、プロが傘の形に裁断・縫製してくれます。その後お客様のもとに、傘の形になった布、傘骨などの付属パーツ、テキストが送られてきます。
後は、テキストに従って自分で仕上げをすれば、世界でたった一つのオリジナル日傘が完成!
「柄の配置などは、お客様とLINEや電話で直接やりとりします。あえてシミになっている部分を使いたいという方もいらっしゃるんですよ」そのシミに亡き人の面影をたどる・・ということもあるのでしょうね。
4/20 読売新聞“ECONOひょうご”欄に日傘キットの事が、取り上げられました。
☆日傘にする布地は浴衣、着物に限らず、洋服生地、テーブルクロスなどでもOK!
☆日傘キット14000円。申し込みは 楽天市場“神戸きものリメイク” 、またはインスタグラム“yoshikokagato”を検索してください。
帯や着物で作るスリッパ 実用新案登録商品
和服を誰もが普段使いできるような物にリメイクできないかと考えていた香賀登さんは、2020年に、“帯や着物で作るスリッパ”を考案。「スリッパなら老若男女誰でも使えるし、もらったら嬉しいだろうと思ったんです」
行く行くは、世界に認められるロングセラー商品にしたいと、帯の美しさを生かすデザインに加え、履き心地や耐久性も徹底的に追求。「スリッパ製造の熟練職人の元で何度も試作を重ね、疲れず蒸れない中敷きや、滑らず音がしない底面など細かい部分にこだわりました」この商品は2021年春、最高の履き心地と耐久性に富んだスリッパとして、特許庁の実用新案登録商品に認可されました。
☆購入6600円、オーダー7700円。申込み、詳細は 楽天市場“神戸きものリメイク”、またはインスタグラム“yoshikokagato”を検索してください。
“神戸きものリメイク” 香賀登 由子さん
戦前の結婚式で使われた袋帯、祖母の形見の留袖、母親がよく着ていた江戸小紋など、お客様の大切な物にハサミを入れる・・思いが詰まっているから、毎回作業する際は緊張するという香賀登さん。しかし、「大切にされてきた物だからこそ、もっと活かせるよう光を当ててあげたい。次のお役目へのお手伝いをするのが自分の仕事だと思っています」
コロナ禍を過ごしインターネットで人と人が繋がれる時代を実感する中で、彼女自身の考えも変わってきたという。「今まではリメイクの愛好者を増やそうと教室を拡大することに力を注いできました。これからはそれだけではなく、魅力的な商品を作って、日本の伝統文化の力をもっと広く浸透させられるよう頑張ろうと思っています」。根底には「コロナなんかには負けへんで!」の気持ちがあると爽やかに笑う香賀登さんが、とても輝いて見えました。
まとめ
我が家の箪笥には、花嫁道具で揃えてもらった訪問着や礼服に仕付け糸がついたまま眠っています。着るあてはないけど、高い値段で買ってもらったから捨てられません・・。“ 着物に次のお役目を ” という香賀登さんの言葉に大きく心が揺さぶられました。次の休みは久しぶりに箪笥の引き出しを開けてみようかな。
小原 由美
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