㈱トムコ発行の情報紙(1996年~2019年発行)に掲載されたつぶやきから抜粋して随時皆様にお届けします。
今回は2018年7月のコラムです。
女房が36年間の教師生活に終止符を打った。「教師という仕事が好きで、楽しくて仕方がない。天職だと思う」と言っていたが、定年に1年早い退職だった。「だって、人生短いのに、好きなこともしなくちゃ」と、辞めてからは毎日のようにジムへ通い、エアロビクスだ、フラダンスだ、と楽しんでいる。家にはそれらグッズや登山用品がどんどん増え、新しくしたテレビでYou Tubeを見ては大きなボールに乗っかっている。私は居づらく、2階でこの原稿を書いている。意思を持った人間が同じ空間で生活するのって難しい。私には2つのことが必要だ。1つは同じ空気を吸わない距離と時間を持つこと。2つ目はお互いを尊重すること。それぞれの趣味、したいことは理解しようと努めている。考え方に違いがあれば、それを尊重し話し合う。家事はほぼ平等に分担。経済的にもよくわからないがほぼ平等だと思う。長く共同生活をしてきて身に着けたものだ。
考えてみると、子供と大人が生活する家庭、施設、学校、大人同士が生活する社会でも同じことではないだろうか。特に2つ目はとても大事なことだ。幼児や障害を持った人には手助けは必要だ。が、手助けをするほうが優位に立つことがあってはならない。お互い人間として対等なのだという気持ちを持ち続けることが大切で、それが薄れると、その生活空間、社会に差別の意識が生まれ、いじめ、パワハラがでてくる。
話は変わるが、我が家に無数の「しそ」の芽が出てきた。植え替えて鉢植えにするが、3割方が枯れてしまう。女房や子供に構いすぎるからやと、揶揄されていた。ちょうど研究職のお向かいさんと食事をご一緒した時にその話をすると、「しそはまっすぐ下に根を下ろす習性があるんです。だから雑にやるとだめで、深く掘って、根を大事に下ろしてやらないと」と言われ、はっと思った。あんな小さいのにまっすぐ下に根を下ろしたいなんて知らなかった。教師をしている時に子供達1人1人をそんな風に見ていただろうか。いや、自分の娘に対しても。勿論成長過程の我儘を諭すことも大切だが、まっすぐ根を下ろしたいという意思も知らずに抵抗を作るのは違う。お互いを尊重し、時には抵抗を乗り越えて育つことがすべての「いのち」にとって必要なのだろう。だけど人生やり直せないし・・・。よし、私は私の楽しみを見つけて、やっていくぞ。
~岸本進一先生PROFILE~
神戸市北区在住の児童文学者。著書「ノックアウトのその後で」(理論社)にて1996年日本児童文芸家協会新人賞受賞。その他、ひだまりいろのチョーク(理論社)・とうちゃんのオカリナ(汐文社)・はるになたらいく(くもん出版)など、著書多数。
小学校教諭として23年間勤務。故灰谷健次郎氏と長年親交があり、太陽の子保育園の理事長も勤めた。
10月のトムコdeレッスン
10月4日に開催されるトムコdeレッスンは、o・ha・na*gu・mi(おはなぐみ)さんによるフラワーアレンジメント【仏花】です。
基本パターンは写真の仏花ですが、お好きな色や花材を選んで頂けます。(花材によって値段は変わります)
講習申し込みの際に問い合わせください。場所:トムコ西鈴蘭台店
開催日:10月4日(水)13時半~
講習費:3500円
締め切り:9月20日(水)10月の定例講習
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Radish STYLE編集部
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