ラディッシュ企画編集室クニマツです。友人に勧められ、大阪・中之島の大阪市立東洋陶磁美術館に行ってきました。芸術性の高い作品を数多く収蔵すると定評がある美術館ですが、本当にそうでした。これでもかーと言わんばかりに展示された美しい陶磁器。ゆっくりと時間をかけて観て回り、身も心も満たされました。中でも私が一番感動したのは、手のひらに収まるほどの小さな小さな壷。「鼻煙壷(ビエンコ)」のコレクションです。
鼻煙壷(ビエンコ)って?
鼻煙壷は嗅ぎタバコを入れる小さな容器。粉状のたばこを鼻から吸う嗅ぎタバコは15世紀末にアメリカ大陸からヨーロッパに伝えられ、17世紀にはフランスを中心に王侯貴族の間で大流行しました。中国には17世紀半ば頃に伝わり、清朝の宮廷で大流行。ヨーロッパでは箱形の容器でしたが、湿度の高い中国ではその気候に合わせてより密閉度が高い壷形の容器が生まれ「鼻煙壷」と呼ばれるようになりました。陶磁、ガラス、金属、玉石、象牙、漆、木・・・繊細な装飾が施された鼻煙壷は美術工芸品としてのジャンルを確立。小さなアートは今でも人々を魅了し続けています。
鼻煙壷のコレクション
私が東洋陶磁美術館を訪れた時は “リニューアルオープン記念特別展(令和6年9/29まで)” が開催されていて、その最終コーナーに鼻煙壷コレクションの展示室がありました。世界的な鼻煙壷コレクターでファミリーマートの初代社長でもある沖正一郎氏によって寄贈された鼻煙壷の数々。ひと目見てその美しさに心惹かれてしまいました。
美術館では写真撮影も、SNS配信もOKとのことだったので、バンバン撮りまくりました。その中の数点をご紹介しますね(19~20世紀の作品)。
《象牙 宝相華文》 象牙の鼻煙壷セット 匙、漏斗(ロート)、小皿・・・昔の人はどんな所作で嗅ぎタバコを楽しんだのでしょうね。
《粉彩 花虫文》色鮮やかな鼻煙壷。
《青花 人物文》
《青白柚透彫 龍鳳凰文》
《青花釉裏紅 動物波濤文》
《銀陰刻 花卉文四連》
《白玉 花形》エレガントな形。女性が愛用したのかしら?
《七宝 梅樹文》
《五彩 昆虫文》 いったい何匹の虫が描かれているのでしょう?とてもキレイ!
《写真の左 オパール 蝶文》《 右 孔雀石 》どちらもとっても個性的!
こんなモダンな鼻煙壷もありました。
ドット柄も。
手のひらにすっぽりと収まるほどの小さな世界にアートが詰めこまれています。
まとめ
東洋陶磁美術館で始めて出会った小さな芸術品。さほど広くはない展示室でしたが、ガラス張りのショーケースにずらりと並べられた精巧な細工の鼻煙壷はとっても見ごたえがありました。開放感のある美術館の内部も素敵。窓越しに見える堂島川にも癒されました。
東洋陶磁美術館
所在地:大阪市北区中之島1丁目1-26
開館:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)、展示替え期間
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国松恭子
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