神戸ミュージアムロードとは、王子動物園と兵庫県立美術館を結ぶ南北1.2Kmほどの通りのことで、周辺には美術館やギャラリー、彫刻やオブジェなどが点在しています。ミュージアムロードのシーサイドフォトマップを片手に、JR灘駅から南に向かって歩いてみました!さて、どんなアート作品に出会えたでしょう?
灘駅をスタートし県立美術館方面へと向かいます。駅を降りると早速『ミュージアムロード / 榮元正博』のサインモニュメントを発見!
阪神岩屋駅前にはモニュメント『風舞 / 松永勉』が。見る角度によって様々な風景が映り込むのが面白いです。駅舎の壁もどこかの国旗のように派手~!
少し歩くとレストランなどが入ったBBプラザビルがあり、ビル内に美術館がありました。
緑・黄色・赤・白・オレンジの格子のバナーが館内や通りのあちこちに。そういえば岩屋駅の壁もこの柄だったけど何か意味があるのかな・・?
国道43号線を渡った先の阪神高速道路の高架にも“MUSEUM ROAD”の文字が書かれています。
高架をくぐった所に、“HAT神戸灘の浜ファニチャーアート”の作品群のひとつ『スポラ号 / 榎忠』がありました。かつてこの地にあった神戸製鋼岩屋工場で使われていた運搬容器を再利用した物だそう。
街なかに突然現れ出た怪獣のようなオブジェは『PEASE CRACKER / 椿昇』。これがミュージアムロードのシンボルオブジェ1体目の作品なんですって。高さ4m、長さ8mの大きなサヤエンドウのような形をしたオブジェの下には豆形のベンチがあり、子どもたちが座って遊んだりしているそうです。
サヤエンドウ怪獣のそばにはファニチャーアート作品のひとつ『WORK-N / 三島喜美代』が。団地の換気塔がコラージュ作品で囲まれてポップなモニュメントになっています。
道の向こうに兵庫県立美術館が見えてきました。屋上には美術館のシンボルオブジェ『美(み)かえる』君の姿が!(天気の悪い日には隠れています)
美かえるの正式名称は『Kobe Frog』。オランダの現代美術家 フロレンティン・ホフマンの作で、今年4月キレイに生まれ変わりました。あっ!?この色合いってもしかして?道路沿いのバナーや岩屋駅の装飾は美かえるの色だったんだ!ミュージアムロード周辺を統一したカラーパターンで彩って街全体を盛り上げていこうというプロジェクトなんだそうです。
美術館内の回廊やテラス部分には無料で入ることができます。海のデッキには、ここを設計した建築家 安藤忠雄デザインの『青りんご』がデーンと鎮座。<目指すは甘く実った赤リンゴではない、未熟で酸っぱくとも明日への希望に満ち溢れた青りんごの精神です>このオブジェを作った時の安藤さんは77歳。瑞々しい気持ちを持ち続ける大人ってかっこいい!
大階段下には『Sun Sister / ヤノベケンジ』の姿が。海に向かってスックと立つ高さ6mの少女は“なぎさちゃん”という愛称で親しまれています。右手に掲げているのは、未来の希望の象徴である“輝く太陽”。遠足で訪れた男子中学生達がスカートの下を順番に覗き込んではしゃいでいるのが微笑ましかったな。
美術館のすぐそばにあるHAT神戸なぎさ公園を楽しそうにお散歩するわんこ達は『犬モ歩ケバ / 藪内佐斗司 』。元は水の科学博物館(神戸市兵庫区)にありましたが、閉館に伴いこちらに移設されました。薮内氏と言えば奈良の“せんとくん”をデザインした方です。
『Ether(family)エーテルファミリー / 名和晃平』は、滴(しずく)が地面に落ちて広がる様子を段階的に3Dモデル化し上下反転させて積み重ねた彫刻作品。「復興した街を見守る家族のように、互いに寄り添って立っています」と作者の名和氏。背景には阪神淡路大震災の経験を語り継ぐ “人と防災未来センター”の建物が見えます。
ミリオンセラー絵本“もこ もこもこ”などの作家としても有名な前衛美術家 元永定正、造形作家 中辻悦子の夫婦共同作品『ゆめ・きずな』。絵本から飛び出してきたような作品は、復興モニュメントであり自由に楽しめる遊具でもあります。ベンチ型オブジェの文字盤の針は震災が起きた“5時47分”を示しています。海を背に佇むブロンズ製クマの彫刻作品は、コーベアーこと『Animal 2021-01-B(KOBE Bear) / 三沢厚彦』。高さ約3.5メートルはクマの原寸大なんですって。迫力ある~!緑と青の左右異なる瞳の色は、六甲山の緑と空の青が映り込んでいるからなのだそう。
アートを探し写真を撮りながら歩いても、灘駅から県立美術館までは20分ほど。そこから先のHAT神戸なぎさ公園も潮風に吹かれながらとても心地よく歩くことができました。楽しみながらアカデミックな気分に浸れる神戸ミュージアムロードは、目も心も身体も満足できるオススメの散策コースです!
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小原 由美
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